EAとは、ユーザーに代わってプログラムが自動でFXの取引を行ってくれる仕組みのことを指します。
過去の相場を分析した上で、どのような時にどんな動きをすればいいのかが、あらかじめプログラムされています。
そのため、常に自分でチャートを見ておかなくても、相場に合わせて取引を行ってくれるのです。
ただ、一言でEAといっても、採用されている取引手法は大きく異なります。
基本的にはEAに任せて取引をすることができるため、どの手法でも問題ないのですが、EAは急な相場変動には弱いという特徴があります。
そのようなタイミングで裁量取引によって適切な判断をするためにも、自分が得意としている取引手法を採用しているEAの方がよいとされています。
では、EAに使われているトレード手法はどのようなものがあるのでしょうか?
EAで採用されている主なトレード手法
EAは誰でも作ることができるので、この世界に数えきれない程存在しています。そのEAごとに採用されている手法は異なりますが、主に使われているのは以下の5つです。
ではここからは、それぞれの取引手法の詳細について詳しく見ていきましょう。
トレンドフォロー
トレンドフォローとは、EAでよく使われている手法です。
相場が上昇しているタイミングでは買い、下落傾向の時には売るという手法なので、初心者でも理解しやすい点が魅力とされています。
基本的には、上昇トレンド・下降トレンドを狙って取引をされており、万が一トレンドが形成されなかった際には損切りを行う設定になっていることが多いです。
そのため、損失額をできるだけ抑えることができますし、急に相場が動いた時でも裁量で決済が行いやすいと言えるでしょう。
ただ、トレンドフォローはレンジ相場の際にはそこまでポジションを持つことができません。
なかなかトレンドが発生しない時は思ったように収益が出ないことも考えられるでしょう。
また、少額の時に買って高額になった時に売る必要がありますが、なかなかうまくいかないと爆発的な収益を生み出すことは難しいとされています。
ナンピン
ナンピンとは、価格がトレンドと逆行しているタイミングでポジションを持つという取引手法です。
FXの相場は常に上下に変動しており、下落が起これば上昇の波がくると考えられています。
そのため、この理屈をもとにポジションを買い足していくという手段をとるのが、ナンピンです。
例えば、1ドル100円の時に買い注文をエントリーしたとします。
その後、価格が下落したら含み損を抱えるので、通常であれば損切りを考えなければいけません。
ただ、ナンピンを実施する際には、反対にポジションを買い足していきます。
このまま下落傾向が止まらなければ含み損がふくらんでロスカットになってしまう可能性もありますが、価格が反転した場合にはより安いタイミングでポジションを獲得することができているので、より利益を獲得することができるのです。
先ほど紹介したトレンドフォローに比べると損失のリスクが高くなりますが、その分爆発的な利益を狙うことも可能です。
また、中にはナンピン法を活用した「ナンピンマーチン」という手法を採用しているEAも多くあります。
ナンピンマーチンとは、ナンピンの手法でポジションを追加する際に、ロットを増やしていくという方法です。
証拠金不足になりやすいというデメリットもありますが、一気に損失分を取り返すことができるので、人気が高いです。
リピート
リピートとは、設定した値幅の中で一定間隔をあけて注文を仕掛ける手法です。
設定した価格内に相場の動きがある場合、利益を獲得することができるという魅力的な手法なので、国内FX業者でも海外FX業者でも多く利用されています。
設定した範囲内に相場がある時には注文が繰り返されますが、万が一設定した値幅より出てしまった時には、新規の注文は一旦ストップして、状況に応じて利確もしくは損切りするという形になります。
この方法だと、一気に大きな利益を生み出すことは難しいので、基本的には長期的に資産を保有して取引を行うことが前提とされていますが、より安定した利益を求める方には最適の手法と言えるでしょう。
ブレイクアウト
ブレイクアウトとは、ある価格を突破した際にエントリーを行う手法のことです。
例えば、価格帯を上にブレイクした際には買い注文を行い、下にブレイクした際には売り注文でついていくということになります。
このような取引方法を行うことによって、相場の動きがこのロジックにはまった場合には利益を1回で大きく増やすことができる点が魅力とされています。
ただ、勝率は低く、思ったように取引ができることは少ないです。
そのため、ブレイクアウトのEAを利用する場合には、できるだけ1回当たりの取引のロットは押さえておくことをおすすめします。
朝スキャルピング
FXの相場は、市場の時間が国ごとに違うことによって、24時間いつでもあいている状態になっています。
その中でも最も人気が高いのが、日本時間の夜に開場しているロンドン市場とニューヨーク市場です。
この2つがあいている時間帯には多くの方が取引に参加しているため、相場が活発に動く傾向があります。
しかし、反対に日本時間の早朝頃はニューヨーク市場が終了することもあり、比較的動きが穏やかになってレンジ相場になることが多いです。
このようなタイミングで、窓開けを狙って取引を行うトレーダ-は多くいます。
朝スキャは勝率が高いことで知られていてトレーダー人気の高い手法で、裁量で行う方も多いです。
しかし、中には朝スキャを禁止しているFX業者もあるので注意が必要です。朝スキャのEAを利用する際には、利用したいFX業者の利用規約を読んで、禁止されていないかどうかをチェックしておきましょう。
最もおすすめなEAのトレード手法は?
自分が得意なトレード手法のEAを選ぶ
せっかくEAを使うのであれば、より安定して利益を出せるトレード手法を選びたいですよね。
しかし、相場の動きを把握することはできないため、どの手法を選んだら最も利益が出ると断言することはできません。
そのため、EAのトレード手法を選ぶ際には、自分がどのような取引をしたいのか、どのような手法を得意としているのかに沿って選ぶようにするといいでしょう。
そうすることで、万が一相場変動が発生した時にも、冷静に裁量取引で対応することができ、損失のリスクを抑えることが可能です。
まとめ
いかがでしたか?EAのトレード手法はそれぞれ異なり、それによって出ている結果も異なります。
そのため、EAを利用する際にはどれがよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
それぞれの手法にメリット・デメリットがあり、これから起こる相場に合うのはどれなのかを現時点で判断することはできません。
そのため、自分が使いやすいものを選ぶことが重要です。
まずはそのトレード手法について詳しく理解した上で、自分が行いたい取引を実現してくれるEAを選択しましょう。
また、中には利用するFX業者で禁止されている取引をEAが行ってしまうこともあるため、事前にチェックしておくことをおすすめします。